【2025年の崖】レガシーシステムとは?就活目線で分かりやすく解説

更新日:2023年6月8日

情報系や機械系の業種で就職活動を行っている方は、企業説明会等で「2025年の崖」「レガシーシステム」について聞いたことがあるのではないでしょうか。

企業が軽く説明している「2025年の崖」「レガシーシステム」は、IT企業は特に重要な内容で就活生は事前に知っておいた方良い情報です。

このページでは「2025年の崖」「レガシーシステム」の意味や問題点、解決法を簡単に説明しているので読んでみてください。

2025年の崖

2025年の崖とは、経済産業省が2018年に公表した文書「DXレポート」にて提示したIT人材に関する警告です。既存システムを残存した場合2025までにIT人材の引退やサポート終了等から経済損失は最大12兆円/年(現在の約3倍)にのぼる可能性があると書かれています。

そのため、あらゆる産業において、新たなデジタル技術を活用して新しいビジネス・モデルを創出し、柔軟に改変できる状態を実現することが求められている。

レガシーシステム（Legacy system）は、古い技術やソフトウェア、ハードウェア、プロセスなどを指すIT用語です。

2018年に経済産業省が公表した文書では約8割の企業がレガシーシステムを抱えており、貴重なIT人材がレガシーステムの対応に浪費されていると指摘されています。

レガシーシステムがもつ問題点は次のようになります。

レガシーシステムは、十分な文書化や詳細な技術情報がない場合があります。過去の開発者やメンテナンス担当者の知識に依存していることがあります。

レガシーシステムは、変更や修正が困難であったり、時間と労力を要する場合があります。そのため、バグ修正や機能の追加が遅れたり、コストがかかる場合があります。

レガシーシステムは、時代遅れの技術や古いバージョンのソフトウェアやハードウェアで構築されています。これらの技術やプラットフォームは、現代の要件や標準とは異なる場合があります。

レガシーシステムは、長期間にわたって運用されてきたものです。組織内の重要な業務やプロセスに関連しており、そのために更新や変更が困難な場合があります。

レガシーシステムは、最新の技術やシステムとの互換性の問題を抱える場合があります。新しいアプリケーションやプロトコルとの統合が困難なことがあります。

レガシーシステムには、いくつかの課題やリスクが関連しています。例えば、セキュリティの脆弱性があったり、競争力や効率性が低下したりする可能性があります。しかし、レガシーシステムは、重要なデータやプロセスを処理してきた組織にとって依然として重要であり、そのまま維持されることが多いです。

レガシーシステムの更新や近代化は、組織にとって重要な課題となっています。この課題の解決によって、セキュリティの強化、効率の向上、新しいビジネス要件への対応などが可能になります。ただし、更新や近代化は複雑なプロセスであり、リスクやコストが伴う場合があります。

モダナイゼーション（Modernization）は、既存のシステムやプロセスを最新の技術や手法にアップグレードし、効率性や柔軟性を向上させることです。

つまり古いシステム(レガシーシステム)を新しいシステム(モダンシステム)にすることをモダンナイゼーションと言い、多くの企業がITインフラの面から注目されています。

近年ではAI(人工知能)関連がかなり成長しており、ビジネスモデルが多様化してきています。多くのニーズに対応するために既存のレガシーシステムをモダナイゼーションして刷新する必要があります。

またモダナイゼーションと一概に言っても、レガシーシステムの老朽化度合いやリスクリターンによって手法を変える必要があります。

リドキュメントとは、レガシーシステムの関係者から情報を集める手法です。レガシーシステムについての文書や関係者が少ない場合に必要で、必要コストもかなり少なく取り組みやすい方法です。

リプレイスとは、既存環境を完全に新しい環境へ移行する手法。業務要件やビジネスモデルの最適化に向けたシステムを選定、導入する必要があるため必要コストが高いです。そのため、抜根的なレガシーシステムの刷新を行う場合に有効です。

リホストとは、既存のシステムのソフトウェアプログラムの書き換えを行わずに、ハードウェアであるシステム基盤のみを新しいものに変更する手法。

リライトとは、既存のシステムを構成している古い言語を新しい言語に書き換える手法です。システムの変更を行わずに使用言語を変えるだけなので必要コストが少なく取り組みやすいです。